ルールリテラシー「第10章 ルールの破り方」
主題
ルールは必ずしも守られなければならないわけではない
ゲームをする意思がない者はルールを守る意思もない。
アリバイ的対応
ペナルティを避けるためだけにルールを守っているふりをする。 ゲームが意図するところを無視しているのでルールは破られているといえる。
言い訳
別のルールを参照することにより目の前のルールを破る。 例えば、会社の不正を黙認するというルールを法律を参照して破る。
既成事実化
ルールを否定し、新しいルールを創造する。 例えば古い慣習を無視して、革新的なことを実施する。
アウトサイダー
社会的カテゴリーから離脱し、ルール破りを認めさせる。 例えば、変人だけど仕事はできる。
ルールリテラシー「第9章 禁止と強制」
主題
禁止のルールの運用は特に注意する必要がある
禁止のルールを「ルールとして」運用するためには、禁止されていることをしない代わりに何をしなくてはならないかが明確にイメージできなくてはならない
禁止のルールとは「~してはいけない」というルール
強制のルールとは「~しなければならない」というルール
ゲームのコンテキスト(文脈)に沿わない禁止のルールは、無視されがちである。
なぜなら、それをしない代わりにゲームにおいて何をすれば良いのか不明瞭だからである。
例えば、いじめは、いじめをすることによって、自分がいじめの標的にならないようにするという
ゲームの側面がある。よって、「いじめをしてはならない」というルールは、ゲームにおいて
いじめをしない代わりに何をすればよいのか不明瞭なので無視されることがある。
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ルールリテラシー「第8章 直接ルールと間接ルール」
主題
多くの間違いはルールの解釈の間違いから起こる
直接ルールと間接ルールの違いを理解して使い分けなくてはならない。
直接ルール
社会的カテゴリーと行為が直接結びついているルール。
例:教師は授業をしなくてはならない。
間接ルール
社会的カテゴリーと行為が間接的に結びつけられているルール。
例:生徒は教師の指示をきかなければならない。
直接ルールであるルールを、間接ルールとして受け取るような誤解があった場合、上司の指示待ちの部下ができあがる。
間接ルールであるルールを、直接ルールとして受け取るような誤解があった場合、勝手な行動をとる部下ができあがる。
上司も部下も、間接ルールなのか直接ルールなのかを意識していれば、間違いが少なくなる。
ルールリテラシー「第7章 ルールとペナルティ2」
主題
メンバー全員にゲームのコンテキスト(文脈)を読み取る能力がなければゲームの維持は難しい
ルールを維持するためには、メンバーすべてがルールをルールとして提示し、ルールとして読み取るコミュニケーション能力を持たなければならない。
ペナルティによってルールを守らせることはできない。なぜならペナルティにより別のゲームが始まるからである。 ルールはゲームを共有する技術であり、ルールを守らせる側とルールを守る側に分けるものではない。メンバー全員がそれぞれルールによって縛られる。 つまり、ゲームを維持するためには、ゲームに参加しているメンバーがそれぞれにルールを提示でき、かつそれを読み取る能力を備えていることが前提となる。
ルールリテラシー「第6章 免責・排除・赦し」
主題
ルール違反に対しては免責か排除をしなければならない。
ルールを維持する方法としては、参照可能性を高めることと、ルール違反に対する「免責」「排除」「赦し」という対応がある
反ルールの正当化を避けるために、ルール違反に対しては必ず何らかの対応をする必要がある。
- 免責
「あなたはルールを知らなかったか、よく理解していなかった」という認識にもとづき 「今あなたがしたことはルール違反なのだ」と相手に知らせる。 この時、免責をペナルティだと思わせてはならない。なぜならペナルティだと思った時点で別のゲームが始まるからである。
- 排除
免責ができない場合は排除を行う。排除とはゲームに一切かかわれないようにすることである。 排除ができない場合、「反ルールの正当化」が起こりルールは維持できない。
- 排除に対する赦し
いったんゲームから排除した場合でも「赦し」により、ゲームに再参加させることができる。 排除された者が「反省」し、その他の者が「反省を認めた」時に「赦し」によるゲームへの再参加ができる。
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ルールリテラシー「第5章 ルール違反と排除」
主題
ルール違反の免責というプロセスがない場合、ルール違反が横行するか、違反者を排除するかのどちらかが起こる。
免責されなかったルール違反は、反ルールを正当化するか、もしくはルール違反をした者を社会的カテゴリーから切り離す
仮に、免責されなくても排除もルール違反の横行も起こらない場合は、誰もゲームに参加していないということになる。
ルール違反の形式的分類
ルールの参照 | 意図 | 種別 |
---|---|---|
ルールを参照していない | ルールを参照していないことによるルール違反 | |
ルールを参照している | 意図的ではない | 不可抗力によるルール違反 |
感情的・身体的要因によるルール違反 | ||
成果を求めるルールのルール違反 | ||
意図的 | 別のルールの参照によるルール違反 | |
反ルールの正当化によるルール違反 | ||
社会的カテゴリーからの離脱によるルール違反 |
- 反ルールとは「AであればBをしてはいけない(をしなければいけない)」というルールの反語である 「AであってもBをしてもよい(をしなくてもよい)」のこと。
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ルールリテラシー「第4章 ルールの参照可能性」
主題
ルールは参照されなくてはならない
ルールは参照されなくては効果を持たないので、必要な場面で実際にルールが参照される可能性がルールの効果を左右する
ルールに加えて、ルールを守らせる仕組みを作る必要はない。 重要なのはルールを知ること、ルールに気づくこと、ルールを確認することを保証する仕組みを作ることである。
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